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年長息子:難関中学受験の算数専門プロ家庭教師の書籍拝読中

算数・数学

この類の書籍の大半は、宣伝目的の書籍です。私にも「書籍を出版しませんか?」と出版社からの営業がしょっちゅう来てますので。

私にとっては同業者で、スルーすることが多かった類の書籍ですが、我が子のことになるとまた別でつい読み込みたくなります。

今、①中学受験専門の、②算数専門専門の、さらには③最難関校受験専門の、プロ家庭教師の先生の書籍を読んでいます。先生の名前の公表は控えますが、この3つの条件を満たすプロ家庭教師を探すご家庭はかなり少数で超ニッチ市場でしょう。そんな知る人ぞ知る先生ですね。そのご家庭に向けての著者の先生独自の考え方を理解してもらうための宣伝本です。

私はプロ家庭教師で数学専門という点においては近いのですが、同業であっても、まず競合になることはない同業者です。

全体的な総括としては、①大手中学受験塾カリキュラムではトップ層の実力が拮抗しており、頭ひとつ抜けることが難しい。②頭ひとつ抜けるためには目先の塾テスト対策ではなく、難関中学の入試問題から逆算した過去問水準の応用問題を早い時期(小5前期あたり)からはじめるのが理想③そのためには、一時的な塾の成績低下はやむを得ないので、親御さんにご理解いただきたい、という3点かと思います。その理解を得るための書籍だな、というのが率直な印象です。

まー、言いたいことはよくわります。私も中学受験塾のサポートを相談された際に、「塾の成績(偏差値)を上げたいのですか?志望校に合格したいのですか?どちらですか?」とストレートに回答したこともありますから。これは、つまるところ、どちらを目指すのかによってやることが違いますよ、ということです。

今、書籍2冊目を読んでますが、気になるところがいくつかあって、今日はそのうちのひとつご紹介したいと思います。公文式の算数に関する記述で、「小2までにF教材が終了した場合…」というところです。

F教材が終わったらG教材(中学内容)に進むか?中学受験内容の先取りを進めるか?という論点に関する記述ですね。

他の公文式で高進度で進めている方もそうなのですが、仮に小2までに小6の分数や小数の計算まで進めることができたとしても、達成した時点で公文式を辞めてそのまま何もしなかったら一気に忘れてしまうと思うんですよね。現場の指導経験や息子の様子を見ていても思うのですが、使い続けないと維持するのが難しいと思うのです。

公文式の算数で、計算だけがそのレベルに到達しても、結局、中学受験塾でそこまで到達するのにはしばらく時間がかかります。先取りするのはよいと思いますが、そこまで到達したあともそれを使い続けることを前提とした進め方にしておかないと、結局、先取りで期待した学習効率がよくないのでは?と感じてしまうのですが、実際のところは、どうなのでしょうか。

みなさんF教材(小学校6年生)まで進めたあとの忘却しないための維持はどうしているのでしょうか。

この先生は中学受験算数の先取りにシフトさせることを勧めているのですが、トップ校を狙うようなお子さんなら維持しようとしなくても忘れない?ってことなのでしょうか。もちろんG教材(中学生内容)に進めるのであれば、小学校内容を前提にするので特に忘却のことは気にしなくてもよいと思いますが、また別の中学受験専門のプロ家庭教師の先生は「ロボットになる」と揶揄してますね。こちらの方も小3までに小6までの計算を習得した時点でくもんは卒業してしまうことをお勧めしています。

個人的には、計算だけではなく、図形や文章題など全体的に学年プラス1年程度を目安に基本問題に絞って先取り学習を行うなら価値があるのでは、と思うのです。1年先の内容なら、また翌年に同じ単元を学習する際に全くゼロになっているわけではないと思うんですね。2回転目(該当学年時)においては、初学よりも学びやすくなっているはずで、該当学年においては、応用問題を軸足を置いて学習できるようになるはずです。

先取り学習の基本は、基本問題のみ、です。これは当然で、この本の著者の先生も同じ考え方で説明されてました。該当学年で学習する応用問題まで含めて全てをどんどん先取りしようとするとおそらくパンクしますね(笑)それができるお子さんは相当に優秀だと思いますが。

なので、結論を申し上げると、

  • 1年先取り:基本問題のみ
  • 該当学年 :基本問題(確認)を軽めにして、応用問題を中心に

という構成で、計算分野だけでなく文章題や図形も含めて全体的に進めていくのなら、大きな負荷をかけすぎず済むのではないでしょうか。

基本問題については、1年先取りと翌年の計2年間かけて2回転することで、より深く習熟させることができて、さらには該当学年においてはその学年の応用問題中心に時間を割く流れのほうが方法論として優秀ではないか、と考えています。

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